アトピーの浸出液が止まらないのは水分の取りすぎ?
飲む水の量を減らしても浸出液の量は変わらないんです。
滲出液とは「炎症」により局所の血管透過性が亢進し、毛細血管から組織内にもれでた血漿成分からなる液。と辞書にあります。
アトピー性皮膚炎は慢性炎症性皮膚炎です。皮膚には慢性的に「熱」がある状態なので、皮膚の下に通る毛細血管の壁が開いて、血液の成分が漏れ出ている状態ですね。
滲出液は単なる「水」ではなく、血液成分なのです。つまり大きく言うと「赤くない色をした血液」が漏れているんです。
う~ん。アトピーさんが栄養不足になる方が多い訳でもありますね。赤くない色の血液には栄養成分が含まれています。
栄養たっぷりの成分が漏れ出ているので、雑菌が繁殖しやすく、感染症も起こしやすくなるんですね。
アトピー性皮膚炎が悪化すると浸出液がたくさんでます。何故かというと・・
炎症が強く起きているからです。
例えるのならば、「身体に火事が起こっている」ので、自ら水を出して消そうとする身体の自然な働きなのですね。
ところでこの浸出液は何故溢れるのか?考えてみると不思議です。見た目が「汁っぽい」ので「水分量に関係がある?」と思われる方は、あながち間違いではありません。
ですが水だけではなく、食べ物も関係あるんですね。
浸出液がとまらないアトピー性皮膚炎はこう治す!
アトピー性皮膚炎の悪化原因はひとによります。
「私は〇〇したら悪化する」パターンを見つけることが大切ですよ!
人によって悪化するパターンは違いますよ!
季節も関係がります。冬の乾燥で悪化する方と夏の暑さで悪化するタイプに分かれます。
肌寒くなる秋ごろから悪くなる方は、初夏である「今から」暑い時期に悪化する方は「冬場から」治していくことをお勧めしています。
少し余裕がある方は症状が小康状態である今が治療開始どき、ですね。
ですが「今まさに緊急事態!」というあなたのために。
とにもかくにも、何でもよいからすぐにできる方法は「漢方湿布」を勧めます。
中医学(漢方)の皮膚病治療では必ず行っている方法です。
あくまでも、補助的な方法ですが、その方法などをお話ししますね。
アトピー性皮膚炎には五行草を水に溶いて湿布をつくり患部に貼って
五行草はご存知ですか?
生の五行草があれば直接絞ったり、食べても良いですが「製品」が販売されていますので、製品を使ったほうが便利です。
五行草を使った漢方湿布を、アトピー性皮膚炎をはじめ、ニキビや酒さ性皮膚炎など、多くの皮膚炎の方にお勧めしています。
まず、五行草とは何か?を紹介します。
呼び名は地方によって色々あるようです。
五行草という名前の由来は、五行草に中国古代哲学「五行論」の色がそろっているところからきているそうです。
スベリヒユ科の植物です。
歴史上、様々な救命にかかわる逸話を残しているため「長寿菜」「長命菜」などとも呼ばれていたようです。
私の住む町周辺の畑や、駐車場の路肩などにも、コンクリートを突き破って生えているのを見かけます、なるほど、丈夫な草です。
薬理作用は
*抗菌作用
*抗炎症作用
*血管修復作用
*アレルギー作用
*抗ウイルス作用
*子宮修復作用があります。
漢方湿布のように外用としてだけではなく、内服にもよく使われます。
【五行草を使った漢方湿布】
五行草エキスを水に溶かして3%程度の濃度にして湿布すると、速攻性のかゆみ止めになります。
冷蔵庫で保管して1週間以内に使ってください。
抗菌、抗アレルギー、抗炎症が期待されるので、化膿性の皮膚湿疹や虫刺されにも利用できます。
タッパーなどに入れて、液体を作り、コットンなどに浸して、患部に直接つけます。
はじめておこなう方は、できるだけ濃度は薄めに、徐々に濃くしていくとよいです。
湿布あとは患部が乾燥するので、すぐにクリームなどの保湿が必要です。
ジュクジュク、汁っぽい、かゆみが強い方は、まずは取り急ぎ、漢方湿布を併用してみてはいかがでしょうか?
漢方湿布~五涼華を加えて五・五パックにすると効果があがります
五涼華(ごりょうか)とは中国の中薬である「五味消毒飲加減方」をもとに日本でつくられた健康食品です。
配合植物は、金銀花、野菊花、蒲公英、紫花地丁、龍葵(元処方 紫背天葵)という生薬構成です。
五涼華の働きを中医学的にみると、自然派抗生物質・抗炎症剤というような意味合いで使用できます。一般的には1回に1~2包服用しますが、漢方湿布として、患部に貼付することもできます。
ニキビ、脂漏性皮膚炎、酒さ性皮膚炎、ヘルペス、帯状疱疹、アトピー、湿疹、カンジタなどの皮膚病や、傷負け、とびひなど感染予防や、紅斑、腫れ、ジュクジュクなどの滲出液に使います。
五行草(商品1包1.5g)を1包と、五涼華(商品1包1.5g)1包をあわせて水に溶いて、コットンなどを浸して患部に湿布します。
濃度1~3パーセントを目安に調整
例 五行草 1包+水100CC
五涼華 1包+水100CC~200CC
*はじめは300CCに1包づついれて、徐々に水の量を減らし、濃度を濃くする。
アトピー性皮膚炎の浸出液の正体を漢方で考えると。
滲出液は「びらん」と表現します。
西洋医学の病院では、カサカサトピーもジュクジュクアトピーも同じ治療ですが、
中医学(中国漢方)では分けて考えます。
中医学ではアトピー性皮膚炎の「ジュクジュク」がおきる仕組みを以下のように考えます。
基礎:生まれつき皮膚のバリア機能が弱いことが下地としてある。
炎症をおこしやすい。
【ジュクジュクが起きる仕組み】
1胃腸の働きが弱いため、飲食物を完全に消化・吸収・排泄できない
↓
2体内に排泄できない老廃物(ゴミ)がたまる
↓
3老廃物(ゴミ)を貯めておく体の限界を超え、
↓
4暑さ、疲れ、睡眠不足、ストレス、アルコール、食べすぎなどのきっかけがあり、
↓
5老廃物(ゴミ)が皮膚にあふれて、ジュクジュクやブツブツをつくる
あふれ出たゴミが、ジュクジュクやブツブツの正体です。
アトピー改善、中医学のメリット!急性期、慢性期でお手当方法は違います。
西洋医学ではアトピー性皮膚炎の湿疹反応を「赤く」ても「ジュクジュク」でも「湿疹」と一括りにして、処方の多くは「ステロイド」ですね。
ですが、中医学ではアトピー性皮膚炎の状態は刻一刻と変化するものととらえているので、皮膚の状態が病気の発展過程どの段階なのかを正確に把握していきます。
簡単に、大きく分類すると①急性期と②慢性期に分けて考えます。
①ぷつぷつ、ジュクジュクのある段階では急性期と考えます。
この場合、中成薬(漢方薬)では、先ほどの老廃物を外に排泄させるためのお手当を行います。
排泄ルート→皮膚✖
排泄ルート→尿、便○
大切なポイントは、「老廃物」を生み出さない食べ方です。
中成薬にあわせて行う食養生が大切です。
②ジュクジュク、ブツブツが落ち着くと慢性期
痒みや赤み、汁っぽさが落ち着いてくると、慢性期に入ります。
頻度は減っても痒みやブツブツがある間は、急性期に準じたお手当が必要です。
通常、病院ではここで治療は終了ですが、ここからが中医学の得意分野です。
☆皮膚のバリア力を強める
☆炎症を起こしにくいようにする
☆弱い胃腸を丈夫にする
☆ストレスをコントロールするなど
中成薬を飲むことに合わせて、食事や生活の養生も一緒に行うことが必要です。
注意力散漫、眠れない~からの解放のために
漢方は効かない、効果がでるのに時間がかかる。
漢方はよくわからない。
漢方薬は高い。
このような先入観を多くの方がお持ちです。
確かに「値段が高い」部分は、否めません。
ですが「浸出液」を止める効果は意外と早いですよ!人によりますが1~2週間で実感があります。
「どこにお金をかけるか?」の価値観を「体への投資」に変えませんか?
アトピー性皮膚炎の急性期の症状が楽になると、
☆良く眠れるようになった。
☆集中力がでてきた。
という声をよく聞きます。
病院に行っても良くならないと思っている方は、一度、漢方相談をご利用ください。