葉酸サプリは必要ない?葉酸サプリでお悩みの方へ
いきなり衝撃的なタイトルで申し訳ありません。
葉酸サプリの種類は豊富で、どれを飲んだらよいのか?選べず悩んでいる方の相談も少なくありません。
ですが、葉酸の是非の声もあり、必要なのか?飲まないほうが良いのか?非常に悩ましい問題でもあります。
私の答えは、「悩むなら飲まないほうが良い。」です。
葉酸サプリに限らず、すべての薬、サプリメント、健康食品などには良い面、悪い面があるという点と、葉酸は水溶性ビタミンですが上限量もあり、過剰の問題も指摘されている栄養素です。
文章を読むのが面倒ではないかたは、ぜひお付き合いください。
結 論
葉酸はできるだけ食品で取ってほしい。まずは消化力を高めよう!
食事のとり方が重要です!
1 葉酸って何?葉酸は食品で取ってほしい理由
葉酸はビタミンB群の一種で、水溶性ビタミンです。働きは造血に関与しています。
妊娠初期の活発な細胞増殖に必要なDNAの合成を助けるなど、胎児の発育にとって欠かせない栄養素と言われています。
葉酸は野菜や果物などの食品に多く含まれています。
1日に350gの野菜を食べている人であれば、推奨量の400μg(マイクログラム=0.4mg)は摂取できます。
ですが、食事から摂取できる葉酸(ポリグルタミン酸型=天然葉酸)は、体内の利用効率が安定していないため吸収が悪いと言われていることもあり、健康な赤ちゃんを産むためには通常の食品に加えて、サプリメントから葉酸(プテロイルモノグルタミン酸=合成葉酸)を1日に400μg摂取することを厚生労働省が通達しています。
そのため、病院や雑誌などメディアでは妊活女性に葉酸を勧める理由です。
葉酸サプリを勧めない理由~その1「過剰」
日本に存在する多くの葉酸サプリは「合成」ですが、葉酸には大きく言うと2つのタイプがあります。
☆ポリグルタミン酸型~食べ物に多い
☆モノグルタミン酸~合成されているものが多い
食べ物の中に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸」型の葉酸ですが、ポリグルタミン酸型の葉酸は、体内で消化されてモノグルタミン酸型の葉酸となってから吸収されます。その過程で様々な影響をうけるため、吸収量は摂取量の半分程度だといわれています。
サプリメントに含まれる葉酸は、「モノグルタミン酸」の葉酸です。そのため、目安量を守らないと過剰に吸収されやすくなります。
葉酸は水溶性で、水溶性ビタミンは過剰になると尿から排泄されると考えられていますが、葉酸には一日摂取の上限量が決まっているのはそのためです。
ビタミンB群のサプリメントを併用されている方は特に過剰になる場合があるので注意が必要!です。
過剰となっておこる副作用には、イライラ、不安、興奮などの精神症状が現れる場合があります。
葉酸サプリを勧めない理由その2「利用できない」
日本人女性の7割は葉酸を使えないというデータがあります。
葉酸は様々な代謝経路を経て、活性化してはじめて体内で利用されます。
活性化には酵素(MTHFR)が必要なのですが、日本人女性の67.2%が正しく変換できない体質(HTHFR遺伝子変異:CT型とTT型)という報告がされました。
(参考:平岡ら:葉酸代謝関連遺伝子多型 に基づくテーラーメイド栄養学. ビタミン 2009; 83 264-274)
不足しているのでやはり、「吸収のよい合成葉酸サプリで葉酸を補えばよいか?」というとそうではありません。
合成葉酸サプリメントと天然の葉酸では新陳代謝のされ方が異なると考えられており、 HTHFR遺伝子変異の人が合成葉酸を過剰に摂った場合、活性化できず体内に蓄積し、がんやうつなどの神経病に関連する可能性があるとも言われています。
妊活にかかわらず、葉酸は生涯にわたって必要な栄養素でもあるので自分のタイプを知っておくことも良いかもしれません。
キットはこんなセットになっていますよ!
消化力をあげるのが先!その方法について
どんなに良い食事、良いサプリメントを飲んでも吸収できていなければ意味がありません。
消化力を高める必要があります。
ポイントがいくつかありますので説明いたしますね。
血糖値を安定させること
検診などで血糖値の異常を指摘されたことがある方や、精神的に不安定な方は血糖の状態をチエックしてみることをお勧めします。
「フリースタイル リブレ」という血糖測定器が販売されています。
食事前後の血糖の変化や、空腹時の血糖の状態、寝る前の血糖の状態などを確認してみてもよいかもしれません。
糖尿病や糖尿病家系ではなくても、朝食を食べない方や、食事と食事の間隔が開きすぎる方は、低血糖や食後高血糖を起こしやすいとも言われており、血糖の乱降下は自律神経への影響から消化管運動にも影響がありますので、覚えておいて欲しい内容です。
自律神経バランスを整える
自律神経には交感神経と副交感神経があり、興奮系に働く神経が交感神経、リラックス系に働くのが副交感神経です。
消化管は自律神経の支配下にあり「副交感神経」が優位になることで活発に働きます。
運動中や仕事中など交感神経が活発な状態の時には、食事はできないですよね。
できるだけリラックスした状態で食事をしてくださいね。
また朝食後から昼食までの時間が長い、夕食時間が遅いなど、食事と食事の間隔が長く、空腹時間が長い場合「交感神経」が優位となります。
小さなおにぎりなどを召し上がるなどで、補食を心掛けて欲しいです。
コーヒーの飲料回数にも注意してください。
無意識に空腹を紛らわすかのように、コーヒーを数杯飲む方がいるかもしれません。
朝食はコーヒーだけ、という方はご注意ください。
腸内環境を整える
腸内細菌の働きとビタミンの関係は以下の通りです。
私たちの体は食物繊維を消化する能力はありませんが、腸内細菌が消化してくれており、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンKなどのビタミン類も腸内細菌が作ってくれています。
(参考:藤田紘一郎 著書から )
葉酸は体内でも作られています!!
腸内環境を整える方法として、手軽にヨーグルトを想像されるかもしれませんが、日本人の体質には和食が一番!
みそ、しょうゆなどの発酵食品からも腸内細菌をとることができますよ!
ポイントは1つだけ!まとめ
葉酸はブロッコリー、枝豆などに多く含まれます、動物性食品では鶏レバーなどが有名。
さまざまな食品に含まれていますので、バランスよく、様々な食品をとることが理想ですね。
ですが、忘れてはいけないポイントは1つ
とにもかくにも「よく噛むこと」です。
お金もかからず、簡単な方法です。
コンビニ利用率が高い現代人ですが、やっぱり手作りご飯が一番なのです。
すべて完璧にとはいきませんが、これが良い!あれが良い!という食品、サプリメントなどに惑わされず、まずはしっかり「食べること」を中心に生活を組み立て欲しいと願います。