(室蘭民報暮らしスタイルに寄稿:食薬になる百合根。中国では結婚式で飾り花にしたり、薬膳料理で使用する)
百合根の産地は北海道
百合根の産地は北海道で10月ごろに収穫されます。出荷は甘味が増すのを待ち12月ごろになるようです。お節料理や京懐石料理ではなじみ深い食材です。栽培されている百合根は鱗片(りんぺん)が広くて薄く、味はそれほど苦くありません。ですが野生の百合根は鱗片が小さくて厚く、味は苦いです。
百合根は百合の球根ですが、たくさんの鱗片が重なっている形から「百合」(びゃくごう)の感じが当てられました。中国では「百年好合」(末永く仲良くしていく)の意味があるから、結婚式ではよく飾り花にしたり、薬膳料理で使われます。
百合根は薬膳ではどのように使うのか?
百合根は中国2千年前の薬物専門書「神農本草経」や臨床医学の古典「傷寒論」に治療薬として記載されています。効果は体を養い、肺を潤す、精神安定、慢性の咳、喘息、イライラ、動悸、驚きやすい、不眠、夢を見ることが多いなどの症状に使用することが記載されています。
虚弱体質、呼吸器疾患、更年期障害、精神不安の方や、抗がん剤・放射線治療を受けた方などに勧めたい食材です。
冷やす性質を持つため、強い冷えの方や下痢、軟便の方は使用しないほうが良いです。
秋から冬の乾燥シーズンに特に食べてほしい百合根ですが「暖房や厚着で暖めすぎ」て、体に潤いが足りなくなって乾いている方は百合根で体を潤すことをお勧めします。