卵巣力UP!妊娠しやすいからだづくりとは?
冷え性、疲れ、肩こり、月経痛、胃腸障害、ストレスなど・・「授かりやすい体」のために、体調不良は早めに解消したいですね。
とくに目立った悩みや、医療機関で異常がない、という方でも、妊活がうまく行かない!と思っている方は、
「卵巣機能」を注目しましょう。
卵巣機能は五臓六腑を整え、気、血、水のバランスが大事。
周期療法とは?
「周期療法」とは、西洋医学の月経周期のメカニズムと、中国伝統医学(中医学)の考え方を合わせた素晴らしい不妊症の治療の手段です。
女性の身体は月経周期のよるホルモンの分泌に伴い、体調も変わります。
月経リズムは大きく「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」という4つの時期に分かれ、それぞれの時期の身体の状態に合わせて漢方薬を飲み分けるのが周期療法の基本です。
女性が持っている月経リズムを取り戻すための方法ですので、身体に余計な負担をかけず、むしろ今までよりも良い状態に身体を導くことができます。
また、周期療法は、不妊の原因が見つからない場合でも、子宮や卵巣に器質的な問題がある場合でも、西洋医学の治療を補佐する形で使う事もできます。
ホルモン剤や体外受精を受ける前に周期療法で身体づくりをしておくと、成功率を高めることにもつながります。
身体が整ってから妊娠すると、妊娠経過も順調で産後の肥立ちも良いと言われています。
必ずしも、周期療法を用いたからと言って妊娠するわけではありませんが、体調は今までも各段に良くなる方が多いので、女性の身体を整える意味でとても意味ある有効な手段だと思います。
出産後の体調不良を予防することができることも、大きなメリット!
周期療法で大切な考え方「陰」と「陽」
「陰」と「陽」
耳にしたことがある方も多いと思いますが、意味はよくわからないかもしれません。
中医学では、身体のバランスを整える上で大事な考え方の一つであり、「卵胞発育」のための漢方薬を使用する上で必要になってきます。
とはいえ、漢方の仕事とは関係のない方には必要はありませんので、なんとなくそうなんだな~と、読み進めていただける嬉しいです。
1)陰陽って?
日が当たるところが「陽」、日が当たらないところが「陰」。
これが陰陽の考え方の基礎です。
自然界に当てはめると、「寒・熱」「上・下」「内側・外側」「静・動」などを、「陰」と「陽」に当てはめて考えることが出来ます。
この二つの組み合わせは、きっぱり分けられるものではなく、反対の性質を持ちながらも、互いに依存した関係であるという特徴があります。
2)人体の陰陽とは?
自然界にあるすべての物質が陰陽に分けることができますが、「人体」も陰陽にわけることができます。
人の身体を陰陽の区別は、陰とは物質、つまり「からだ」。
陽とは機能、「はたらき」と考えます。
目に見えるものを陰、見えないものを陽という事もできます。
では、妊娠の過程でみると、卵胞は陰です、卵胞を育てるはたらきは陽です。
ちょっとわかりずらいかもしれませんね・・。
「陰陽」の漢方薬の活用は、
卵胞期~陰を育てる
黄体期~陽を高める
という考えで、「補陰剤」「補陽剤」の分類の漢方薬を使い分けます。
3)卵巣ホルモン、黄体ホルモンの陰陽
女性ホルモンは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)とありますが、
この2つのホルモンも、「陰」と「陽」のような関係にあると考えます。
体温を高めて「卵」を温めるイメージが「陽」のホルモンである黄体ホルモンですね。
(イラストはイメージです)
4)基礎体温と陰陽
中医学では月経周期を陰陽に分けて考えます。
排卵を中心に、身体の中の「陰」から「陽」へと変化します。
基礎体温の低温期は陰の時期、高温期は陽の時期です。
低温期の中を細かくみると、排卵が近づくと陰が満ちていき排卵がおきて、陽に変化します。
これを自然界にたとえると、 春から夏にかけて次第に気温が上がっていき夏になるイメージ。
または、同じ冬という季節の中でも、バケツに張った水が気温が下がるにつれて、やがて氷になるイメージです。
基礎体温に戻ると、体内の陰が不足していると、排卵が上手くいきません。
すると、低温期から高温期への移行に時間がかかるというグラフになります。
陰陽は「お互いを育て合う」関係があるので、片方の育ちが悪いともう一方にも影響が起きると考えます。
月経周期~4つの時期の考え方
1)月経期
月経期は陽から陰に大きく転換する時期です。
月経前と月経中では大きく体調が違う事を経験していると思いますが、この時期は体内では激しい変化が起きています。
月経期に最も大切なのは、月経血を完全に排出することです。
不要となった子宮内膜が体内に残ると血めぐりが悪くなる「お血」の原因になると考えます。
この時期は気血のめぐりをよくして、月経血を押し出す力を助ける方法をとります。
2)卵胞期
月経から排卵までの時期は、卵胞が発育していく時期です。
陰陽理論では、「陰」が増える時期と考えます。
卵胞をしっかり育てるためには、十分な「陰」と、妊娠に不可欠な「血」が必要です。
この時期は「陰」と「血」を補う方法をとります。
また、卵胞期は成長という動の側面もあるため、物質を動かすはたらきの力(陽)が足りない場合は、陽を補い卵胞(陰)の成長を促す対策も必要です。
3)排卵期
卵胞膜を破って卵子が飛び出す排卵期は、陰が陽に転換する時期です。
排卵をスムーズに助けるために、気血も非常に活発に動きます。
気をめぐらせて陽のはたらきを助ける方法、血を巡らせて排卵を促す方法をとります。
また、腎の機能を支えるための方法もあわせます。
4)黄体期
排卵がおこり、抜け殻になった卵胞が黄体に変化すると、黄体ホルモンの分泌により体温が上昇し陽の時期になります。
黄体は受精卵を着床しやすくする時期であるため、基本的には身体を温める補陽が必要です。
合わせて適度な陰や血を補う必要もあります。
周期療法の基本は「補腎養血と活血」
難しい専門用語が多いかもしれませんが、ブログや漢方相談のなかで説明をさせていただきたいと思います。
「補腎養血(ほじんようけつ)」とは、ホルモンバランスや卵胞の成長など、生殖をつかさどる臓器である「腎」(西洋医学の腎臓とは、働きが違います)のはたらきを高め、妊娠に不可欠な血を補うことを言います。
「活血(かっけつ)」とは、血のめぐりを良くする方法を言います。
周期療法は、妊活漢方の基本になる理論ですが、実際には個人の身体の状態や併用する治療に応じてアレンジされていきます。
どうぞご相談くださいね。
何年も同じ薬をのんでいるが体調が良くならない・・ いつもどこかが不調だと感じている・・ 病院に行っても病名が分からない・・など そんな経験はありませんか? あなたの体質を漢方的な視点で考えてみませんか?