みなさんは「マコモダケ」を食べたことがありますか?
北海道ではあまり見かける機会のない食材ですが、薬膳のレシピなどで名前を知り、気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も、以前から食べてみたいと思っていました。
そんな中、知人たちの間で「送料をみんなで分けて、取り寄せてみよう」という話になり、私にも声をかけていただきました。
届いたその日に、さっそく調理。今回は、煮物とバター炒めを作ってみました。
マコモダケって、どんな野菜?
名前に「ダケ」と付きますが、キノコの仲間ではありません。
イネ科の植物「マコモ」に黒穂菌(くろぼきん)が寄生することで、茎の根元付近がふくらんだ部分を食べる野菜です。外側の葉をむき、中の白くやわらかい部分を料理に使います。
中国では「茭白(こうはく)」と呼ばれ、炒め物やスープなどにも使われています。

まずは皮をむいて、ひと口
生でも食べられると聞き、まずは皮をむいて、洗ってからそのまま少し味見をしました。
強いクセはなく、さっぱりとした味わい。私が食べたものには、苦みやえぐみもほとんど感じませんでした。
見た目から「繊維が多くて、硬いのかな?」と想像していたのですが、そんなこともなく、とても食べやすい野菜でした。
煮物とバター炒めにしてみました
煮物には、ほかの具材が煮えてから、最後の方に加えました。火が通るのが早いので、長く煮込まなくても使いやすい印象です。
味にクセがなく、いつもの煮物にも自然になじみました。
もう1品は、シンプルなバター炒めに。淡泊なマコモダケにバターの風味がよく合って、おいしくいただきました。
初めての食材でしたが、「意外と気軽に料理に使える!」というのが率直な感想です。

マコモダケの四気五味と、薬膳での働き
薬膳では、マコモダケを次のように捉えます。
四気五味:寒・甘
帰経:肝・脾・肺
※帰経などの分類には、文献による違いがあります。
主な働きとして挙げられるのは、次の3つです。
清熱(せいねつ)
体にこもった余分な熱を冷ます働き。
除煩(じょはん)
熱によるほてりや、落ち着かない感じを鎮める働き。
利尿(りにょう)
尿の排出を促し、余分な水分をさばく働き。
こうした性質から、中医学では、体に熱がこもるときや、熱を伴うむくみなどの食養生に用いられてきました。
ただし、むくみや冷えなどは、同じ症状でも体質や原因によって考え方が異なります。「むくむから、たくさん食べればよい」というものではありません。
冷えが気になる方は、組み合わせを工夫して
マコモダケは、体を冷ます「寒性」の食材です。冷えやすい方や、お腹が冷えて下痢をしやすい方は、食べ過ぎを控えましょう。
薬膳では、ひとつの食材だけでなく、組み合わせも大切にします。
生姜やにんにくなど、体を温めるとされる食材を添え、温かい料理として楽しむのもひとつの方法です。
ただし、加熱したり生姜を加えたりすれば、冷ます性質がすべてなくなるわけではありません。自分の体調に合わせ、無理のない量で取り入れてくださいね|
薬膳レシピ|マコモダケとトマト、黒きくらげの炒め物
マコモダケを使った薬膳には、残暑で体にこもった余分な熱を冷まし、潤いを補うことを目的にした料理があります。
その一例が、マコモダケにトマトと黒きくらげを合わせた炒め物です。淡泊なマコモダケにトマトの酸味とうまみが加わり、黒きくらげの食感も楽しめます。
材料(2人分)
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マコモダケ:2本(皮をむいて約120〜150g)
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トマト:1個
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乾燥黒きくらげ:5g
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サラダ油:小さじ2
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塩:少々
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水:必要に応じて大さじ1〜2
作り方
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黒きくらげは袋の表示に従って戻し、硬い石づきを取り除いて、食べやすい大きさに切ります。
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マコモダケは外側の葉をむいて洗い、根元などの硬い部分を除き、斜め薄切りにします。トマトはひと口大に切ります。
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フライパンに油を熱し、マコモダケと黒きくらげを炒めます。必要に応じて水を加え、ふたをして、黒きくらげまで十分に火を通します。
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トマトを加えてさっと炒め合わせ、塩で味を調えます。トマトの形が少し残るくらいで仕上げます。
薬膳のポイント
薬膳では、マコモダケは余分な熱を冷ます食材とされます。この料理は、そこにトマトと黒きくらげを組み合わせ、熱を冷ましながら潤いを補うことを意識した一品です。
残暑でほてりや口の渇きが気になる時期の食養生として紹介できます。
一方、今の北海道は秋が深まり、冷えも気になる季節。今回は残暑向けの薬膳の一例としてご紹介しましたが、季節やご自身の体調に合わせて取り入れてくださいね。冷えやすい方や、お腹の調子が悪いときは、無理に食べる必要はありません。
※薬膳での働きは中医学の伝統的な考え方によるもので、料理によって症状の改善や治療効果を保証するものではありません。
参考:辰巳洋先生『薬膳の基本』
※掲載レシピは同書を参考に、家庭で作りやすい分量・手順に調整しています。
外側の葉でも、お茶を試してみました
マコモの葉はお茶にも使われると知り、今回はマコモダケの外側の葉を使って、お茶も試してみました。
どんな香りがするのだろうと楽しみにしていたのですが、今回の入れ方では、味も香りもほとんど感じず、私の感想は「無味無臭」。
煮物やバター炒めだけでなく、外側の葉まで試してみたことで、初めてのマコモダケをいろいろな角度から楽しめました。

名前を知っている食材が、身近になる楽しさ
薬膳を学んで名前を知っていても、実際に触れて、料理して、味わってみると、食材がぐっと身近になりますね。
薬膳は、特別な食材をそろえなければできないものではありません。いつもの食卓でも、季節や体調に合わせて、食材や調理法を少し工夫することから始められます。
今回は、ご縁があって出合えたマコモダケ。北海道ではまだ見かける機会の少ない野菜ですが、また手に入ったら、違う料理でも楽しんでみたいと思います。
※薬膳での働きは、中医学の伝統的な考え方に基づくものです。特定の食材や料理によって、病気の予防・治療効果を保証するものではありません。