中国で古代の「五大名果(果物)」の一つとされる栗は栄養豊富。薬膳として病気の予防や治療に使われ、老化防止の効果もある。(室蘭民報くらしスタイルに寄稿)
美しさの秘密~西太后の好物であった栗
中国において栗は2千年~3千年の栽培歴史があります。李(すもも)・杏・桃・棗(なつめ)と一緒に古代の「五台名果(くだもの)」と言われています。栗は大量のでんぷん質、たんぱく質、脂質、ビタミンBなどの栄養成分、カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラルが豊富です。
中国では薬膳として高血圧、狭心症、動脈硬化、骨粗しょう症、口内炎などの予防と治療に使います。老化防止の効果もあります。
中国古代の名医李時珍が「本草綱目」に「(栗子)治腎虚、腰脚無力(腎が弱い、腰足に力がない)」と書きました。清時代、宮内庁厨房のシェフは、西太后が好物であった栗を食べてもらうために、毎日栗を粉にして、氷砂糖などを入れてお菓子を作っていたそうです。
西太后がほぼ毎日この栗菓子を食べていたため、高齢になっても、皮膚のきめが細かく柔らかい、瑞々しさを保った肌だったと言われています。
中医学、薬膳で栗の効果とは
中医学で栗は甘味、温性の性質を持ち、胃腸を元気にすることで気を高め、また筋肉や骨を強める効果があると考えます。
腰がだるい、膝が弱い、頻尿、尿漏れ、慢性下痢などが気になる方は栗を召し上がってはいかがでしょうか?
ただし消化機能の弱い人、出産直後の産婦、小児、長い病気の方は栗をたくさん食べてはいけません。糖分も多いので糖尿病の方も控えたほうが良い。