命の母Aやルビーナを手に取る前に知ってほしいこと
大人女性の総決算にあたる更年期。
自分らしく元気に過ごしたい。
でも、最近、疲れやすかったり、イライラしたり、小さなことが気になったり、以前の自分とは何かが違う。
そんな風に思っていませんか?
更年期の不快な症状は、ある日突然起こるわけではありません。
もともとの体質の弱い部分に、特に症状が出やすい傾向があります。
体質は長年の生活習慣でつくられるものですから、できれば早めに改善していけるとよいのですが。
気がつくと不調の深みにどっぷりつかっている方も。
更年期障害はこれからの人生を、さらに元気に過ごせるために「生活を見直して」という体からのメッセージだと、私は思っています。
まずは気になる症状を楽にしませんか?
店頭で問い合わせの多い薬は「ルビーナ」と「命の母A」です。
ルビーナと命の母のどちらが良いの?
どう違うの?
私にはどっちがよいの?
使用された方の反応は、よかったという声と、まったく効果を感じなかったという、どちらの声も聞いています。
更年期障害は程度や症状によって、オススメできる商品は変わってきますが、今回は、有名ブランドの「ルビーナ」「命の母A」の特徴や、どんな方にお勧めなのか?を説明したいと思います。
もっと元気に、自分らしく暮らせるために!
お手伝いさせていただきますね。
更年期って何?
一般的に、更年期は「女性の体が成熟期から老年期に移る45歳~55歳くらい」の約10年間である期間のことを言います。
この年代になると卵巣機能が低下し女性ホルモンの分泌が急激に減少します。
その結果、体内のホルモンバランスが乱れて自律神経の調節がうまくできなくなり、のぼせ、冷え、肩こり、精神不安、不眠といった様々な症状がおこります。
ちなみに、中医学では、女性は7の倍数で生理変化がおこると考え、更年期に足を踏み入れる時期を42歳くらいと考えます。
7歳 成長期
14歳 初潮を迎える
21歳 成熟期
28歳 体や性の機能のピーク~腎が充実し身体や生殖器機能はピークに
35歳 気・血の衰えが始まる~腎が衰え始め外見にも陰りが現れる
42歳 体力が衰え、しわや白髪が気になり始める~女性ホルモンの分泌が激減し、閉経を迎える
49歳 閉経が訪れる 閉経以降 ゆるやかな老化
中医学は「予防医学」です。本格的な更年期の突入前であり、老化が始まる42歳の頃から、はやめに対策することを提案しています。
更年期の症状って?
肩こりがひどい。
のぼせる。
疲れやすい。
憂うつ。
物忘れ。
神経質。
口や目が渇く。
肌荒れがひどい。
自分では更年期とは気づかない、更年期障害と呼ばれる症状は多彩です。
女性ホルモンの低下と更年期障害の関係は以下の表のようになります。
女性ホルモンの作用 | 女性ホルモンの減少で生じる症状 |
子宮に作用~毎月1回の月経を起す | 生理不順 |
脳の視床下部の体温調節中枢に作用する | ホットフラッシュ |
骨を作る働きを促進する | 腰痛・関節痛 |
活性酸素を消去する | 不眠・憂うつ・ホットフラッシュなど |
心臓・血管に作用する | 動悸 |
皮膚に作用、しみのない弾力のある肌 | しみ・たるみ |
あれ?私の悩みの症状って、もしかして更年期障害?と思いましたら、どうぞご相談くださいね。
命の母Aとルビーナの特徴を解説!
更年期障害に分類される症状は、上記のように多岐にわたります。
気になる程度でしたら市販薬で様子を見たいと思う方も多いかもしれませんね。
命の母やルビーナはどうなの?誰が飲むと良いの?効果は?
そんな疑問を解くために、2ブランドを比較してみました。
命の母Aは独自配合の生薬と、ビタミン類などで構成された第2類医薬品です。
命の母Aは小林製薬から販売されている第2類医薬品です。
配合は13種類の生薬と、ビタミンやミネラルなど、独自の組み合わせからなる保健薬。
13種類の生薬の組み合わせは「血の道症」と呼ばれる女性特有の症状に良く使われる生薬が配合されています。
血の道症とは、漢方で使われる言葉で月経、更年期、産後などの女性に見られる頭痛、めまい、のぼせ、肩こり、疲労感、月経異常などの諸症状をいいます。
13種類の生薬内訳は
➀ダイオウ②センキュウ③コウカ④シャクヤク⑤トウキ⑥ケイヒ⑦ハンゲ⑧コウブシ⑨カノコソウ⑩ニンジン⑪ソウジュツ⑫ブクリョウ⑬ゴシュユの13種類
生薬以外は「ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ビタミンE・カルシウム・タウリン・精製大豆レシチン・ビオチン」
効能効果
更年期障害、更年期神経症、血の道症、のぼせ、生理不順、生理異常、生理痛、肩こり、冷え性、肌荒れ、めまい、耳鳴り、動悸、貧血、にきび、便秘、ヒステリー、帯下、産前産後、下腹部痛、血圧異常、頭痛、頭重
配合生薬の役割を簡単に説明すると以下のようになります。
生薬の働き | 命の母Aの配合量 1日服用量12錠中 | |
①大黄(ダイオウ) | 熱をとり便通改善、便から熱を排泄 | 175mg(0.175g) |
②川芎(センキュウ) | 気巡りが悪い、冷えがあるなど血の滞りを解消して頭痛、月経痛などに | 100mg(0.1g) |
③紅花(コウカ) | 冷えや血めぐりが悪いタイプの月経痛など | 50mg(0.05g) |
④芍薬(シャクヤク) | 血不足イプの頭のふらつき、めまい、目のかすみ、月経不順など | 300mg(0.3g) |
⑤当帰(トウキ) | 血不足タイプの頭のふらつき、めまい、動悸、月経不順、月経痛など | 300mg(0.3g) |
⑥桂皮(ケイヒ) | 四肢の冷え、頻尿、寒がり、冷えによる月経痛など | 170mg(0.17g) |
⑦半夏(ハンゲ) | 湿痰によるめまい、動悸、無民、吐き気、頭痛、しびれなど | 75mg((0.075g) |
⑧香附子(コウブシ) | ストレス、胸の張り、お腹の張り、消化不良、吐き気、食欲不振など | 50mg(0.05g) |
⑨カノコソウ | 別名:オミナエシ,敗醤草 肌荒れ、ふきでもの | 207mg(0.207g) |
⑩人参(ニンジン) | 気が不足タイプの疲れやすい、風邪を引きやすい、寒がりなど | 40mg(0.04g) |
⑪蒼朮(ソウジュツ) | 胃腸が弱く脾胃に湿がたまり胸が苦しい、肢体の関節痛など | 100mg(0.1g) |
⑫茯苓(ブクリョウ) | むくみに、食欲不振、不安に | 175mg(0.175g) |
⑬呉茱萸(ゴシュユ) | 冷えによる腹痛、嘔気、下痢、四肢の冷えなど | 40mg(0.04g) |
生薬の働きを、中医臨床のための中薬学(神戸中医学研究会編著)から調べていきました。
配合量がちょっと少ない?と思いましたが、気軽に飲めるタイプの医薬品の特徴だと思います。
様々な効果のある生薬が13種類も配合されているので、更年期症状が軽度であればオールマイティな印象。
症状が軽度な方は、手軽にはじめられるお薬ではないでしょうか。
「温める」タイプの生薬が多く配合されているので、とくに冷えが気になるタイプには良さそうですね。
のぼせが強いタイプは、のぼせ症状に注意したいところですが、配合量が少ないので、あまり影響もないのかもしれません。
食生活が不規則であったり、栄養不足が心配な方には、ビタミン剤の配合は、なかなか気が利いた商品では?
ルビーナは伝統的な2種類の漢方薬を合わせている第2類医薬品です
日本で生まれた漢方処方「連珠飲(れんじゅいん)」
「連珠飲」は江戸時代に日本で考案された漢方処方で、「四物湯(しもつとう)」と「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」の2つの処方を組み合わせたものです。
四物湯は、女性によく用いられる「血虚」の基本処方の漢方薬です。
血虚(けっきょ)とは、漢方用語で「血」が不足しているタイプをいいます。
体力が低下して腹力がなく冷え症で、皮膚がカサカサと乾燥して色つやが悪い人に向く薬です。
女性に用いられることが多く、産後・流産後の疲労回復、月経不順やいわゆる血(ち)の道症、貧血などによく用いられます。
苓桂朮甘湯は、めまいやふらつきがあり、尿量が減っている人に向く漢方薬です。
体力がなく、めまい、ふらつき、のぼせ、動悸などがあって、尿量が減少している人に用いられる処方。
そうした症状のある人の、神経症、立ちくらみ、めまい、頭痛、息切れなどで用いられます。
ルビーナに入っている漢方薬の構成は
①当帰(トウキ) ②川芎(センキュウ)③ 芍薬(シャクヤク)④地黄(ジオウ) ⑤茯苓(ブクリョウ)⑥ 桂枝(ケイシ)⑦蒼朮(ソウジュツ)⑧ 甘草(カンゾウ)
効能
体力中程度またはやや虚弱で、ときにのぼせ、ふらつきのある次の諸症状
更年期、めまい、たちくらみ、動悸、息切れ、貧血
生薬名 | 中薬学より~生薬の原料量 | ルビーナの配合量(エキス剤) | ツムラ医療用(エキス剤) |
【四物湯】 | |||
①当帰 | 9g | 1.5g | 3g |
②川芎 | 6g | 1g | 3g |
③白芍→ルビーナは芍薬を使用 | 9g | 1.5g | 3g |
④熟地黄→ルビーナは地黄を使用 | 12g | 0.5g | 3g |
【苓桂朮甘湯】 | |||
⑤茯苓 | 12g | 2g | 6g |
⑥桂枝→ルビーナは桂皮を使用 | 9g | 1.5g | 4g |
⑦白朮→ルビーナは蒼朮を使用 | 9g | 1.5g | 3g |
⑧炙甘草→ルビーナは甘草を使用 | 6g | 0.5g | 2g |
参考までに医療用の成分と比較してみましたが、市販薬であるルビーナの配合量は2分の1から3分の1です。
ですが、ルビーナは伝統的な漢方薬の処方であり、医療用に比べるとやや穏やかですが、体質に合えば良い結果が現れるのではないでしょうか。
結論、命の母Aとルビーナどちらが良いのか?
症状が軽くサプリメント感覚で、何かを飲みたいと思う方には命の母を。
命の母の一日あたりの金額は約75円です。
元気がない、疲れやすい、目がかすむ、抜け毛が気になる、肌がカサカサするなど、気や血が足りないなど、あきらかに不調を感じている方は、ルビーナを。
ルビーナの1日あたりの金額は約140円ですね。
成分量を考えると、単純な値段比較はナンセンスですよ~。
個人的な意見ですが、このように考えます。
余談ですが、
ドラッグストアなどで販売する薬の基本的な考えは「セルフメディケーション」ですので、成分量は抑え気味なのが鉄則。
セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と世界保健機関(WHO)は定義しています。
誰もが薬を自分の手に取って購入できる仕組みは、自己の判断に委ねられますので「安全が第一」です。
そのため、ドラッグストアなどで購入できる漢方薬のほとんどは3分の1や2分の1処方です。
素晴らしい効き目より安全。
効果が実感できるまでには多少時間がかかりますが、基本的には薬の箱などに入っている添付文書にしただってください。
ある一定期間(ルビーナの場合1か月以上)服用しても症状が良くならない場合は服用を中止し、医師や薬剤医師、登録販売者に相談すること。
と記載されています。
更年期障害だと過信せず、長引く場合は医療機関の受診もお勧めします。
更年期の漢方薬は他にも・・
血を補いめぐりを良くする | 婦宝当帰膠など |
神経の高ぶりをしずめる | 知柏地黄丸や寫火補腎丸など |
乾燥や潤いが不足 | 八千丸、小菊地黄丸、亀鹿仙など |
不眠、不安に | 天王補心丹、温胆湯、帰脾湯、心脾顆粒など |
ここだけでは上げられないほど、漢方薬には種類があります。
上記にあげた漢方薬は中国漢方も含まれるので、病院で処方できない薬も含まれています。
漢方の考えで一番大切なのは「体質」ですので、本来、症状から薬を選ぶことはできません。
ぜひ、本格的に体調を管理したい方は、漢方相談薬局(薬店)でご相談ください。
更年期ではないかもしれない。
繰り返しますが、更年期は閉経前後5年間をさします。
ところが、のぼせ、めまい、肩こりなど、更年期特有の症状は、30代でも、あるいは60歳を越えても、普通におきる症状です。
60歳を越えている場合は、更年期とは言いませんし、現れる症状は更年期障害ではありません。
中医学(中国漢方)では、身体の「陰・陽のバランス」「寒・熱のバランス」「気・血・水のバランス」が崩れているとことが原因のひとつと考えます。
崩れる理由はそれぞれです。
働きすぎや、反対に仕事をリタイヤして、急に時間が余り、TVの見すぎや食べすぎなどの生活パターンの崩れなど、理由はさまざま。
症状が同じめまいや肩こりでも、症状がでるようになったきっかけはバラバラなので、お手当ての方法は変わってくるのが漢方の特徴。
単純に、ルビーナや命の母のどっちがよいか?という結論にはなりません。
たった一人の自分の体のために。
どうぞ、人生を豊かに過ごせるために、漢方相談をご利用ください。