妊活に冷えは何故いけないの?
西洋医学で冷え性は基礎代謝の低下と考えますが、漢方ではこのように考えます!
妊活中に関わらず、漢方では「冷え症」は「未病(みびょう)」という病気として考えます。
「未病」は完全な病気ではないけれど、放置すると様々な病気を引き起こす引き金となるため、はやめに治すことをお勧めしています。
では何故、冷えがおこるのでしょうか?
漢方では4つの理由をあげています。
Ⅰ 気血不足が原因
身体を温める「気」と「血」が不足すると冷えが起こります。月経量の多い女性は特に注意!
毎月、経血が体外に排泄されるにもかかわらず、多くの日本人女性は補うことをしていません。「血」が減る一方です。
また「血」は「気」の力によって外に押し出されるために、一緒に「気」も外にでていってしまうため、結果、「気」も「血」も不足がちになる女性が多いです。
Ⅱ 胃腸虚弱が原因
冷え性と胃腸の弱さに、どんな関係があるか、不思議ですね。
「気」と「血」は胃腸の働きによって生み出されると考えられています。
そのため、普段から食事が不規則な方や、飲食物がきちんと消化できずに、便秘、軟便を繰り返す方や下痢をしやすい方、食の細い方などは、「気」「血」が生み出されず不足することで、冷えにつながっている方もいらっしゃいます。
Ⅲ 血行不良が原因
血行不良も冷えを招く大きな要因のひとつです。
「血」は全身を温めながら巡ります。強い冷房や冬の外気温が低いことが原因となり、血管が収縮し、血流が悪くなります。また不規則な食生活や運動不足、ストレスなど、様々な生活習慣で「血」のめぐりが悪くなり、身体に冷えが生じます。
Ⅳ 陽気不足が原因
漢方の独特な考え方の一つである「陽気」
これは身体のエネルギーである「気」の種類のひとつ。
「陽気」は身体を温めるエネルギーです。
このエネルギーは、人体の様々なエネルギーを保管する場所である「腎」にあるため、高齢者や更年期以降の方、生まれつき虚弱体質、慢性疲労の方などは「腎」が弱り、「陽気」が不足することで、強い冷えを感じます。
妊活中のあなた、冷える場所はどこですか?
では実際に4つのタイプごとの、特徴的な冷えの症状をお話ししますね。
1)体内の気血不足が原因の冷え
★主な特徴的な症状は以下の通り
*手足の冷え
*月経時の冷え
*出産後の冷え
★その他付随する症状は?
動悸、不眠、めまい、月経量が少ない、色が薄い、鉄欠乏性貧血がある、顔色に艶がない、舌の色が薄いなど
2)胃腸虚弱が原因の冷え
★主な特徴的な症状は以下の通り
*疲れると冷えがひどくなる
★その他付随する症状は?
疲労感、無力感、息切れ、風邪を引きやすい、汗をかきやすい、食欲不振、お腹の張り、軟便や下痢、胃腸が弱い、舌の苔が白い
3)血行不良が原因の冷え
★主な特徴的な症状は以下の通り
*全身の冷え
*手足が冷えてジンジンとしびれる
★その他付随する症状は?
頭痛、生理痛、関節痛、腹痛、ストレスが多い、顔が黒ずんでいる、外傷歴がある、子宮筋腫、子宮内膜症、舌の色が暗い、黒い点がある。
4)陽気不足が原因の冷え
★主な特徴的な症状は?
*手足が氷の様に冷たい
*手首、足首まで冷たい
*入浴してもすぐに冷える
*下半身が冷える
★その他付随する症状は?
腹痛、むくみ、顔色が白い、慢性疾患を持つ、舌の色が薄く、苔が白い
妊活、温活に!タイプ別、やったほうが良い食事、生活はこれ!
自分のタイプの目途がたちましたら、以下をご参考に、1~3か月は実践してみてくださいね。
1)気血不足が原因の冷えの方へ
「気」や「血」を養う甘みのある食材をとりいれて!
甘いといっても、ケーキやチョコレートの甘みではなく、身体が喜ぶのは、野菜などの自然な甘みです。
たとえば・・
なつめ、クコの実、栗、鮭、レーズン、黒砂糖、もち米、豚肉、鶏肉、うなぎ、赤ワイン(適量)など
「生活の注意点」
月経時は無理をしない、汗をかくようなスポーツは控えて。
お腹にカイロを貼るなど、あたためて。
疲れたら休養をとってください。
2)胃腸虚弱が原因の冷えの方へ
身体を温め、消化を促す香辛料や薬味の活用を!
生姜湯を上手に使うと良いタイプですね。
シナモン、カルダモン、フェンネル、しょうが、八角、ねぎ、クローブ、山椒の実、大豆製品、きのこ類、紅茶など
「生活の注意点」
よく噛むことが、何よりも一番大切です。
温かい飲食、消化の良いものを心がけて!飲み過ぎ食べすぎに注意、腹八分目が基本です。
気血不足さんと同じく、月経中を含め、あまり汗をかく激しい運動やサウナはお勧めしません。疲れを感じたら、短時間でも身体を休める時間を取ってください。
3)血行不良が原因の冷えの方へ
身体をあたため、血流をサラサラにする食材を!
紅花、ミカンの皮(無農薬が手に入れば、干して使う)さば、イワシ、ヨモギ、ウコン、玄米、納豆、そば、ラッキョウなど
「生活の注意点」
血行不良タイプさんは、積極的に軽く汗をかく運動がベスト。
ストレスを多く抱えている方も多いので、上手にストレス解消を!
柑橘系のアロマオイルなどで、香りの力を使っても良いですね。
入浴はシャワーですませず、しっかりと湯船につかってください。
4)陽気不足が原因の冷えの方へ
温める力が強く、冷え取り除く食材をとりいれて!
唐辛子、シナモン、紅茶、にら、酒(適量をあたためて)ねぎ、羊肉、黒豆、黒茶、牛肉、えび
「生活の注意点」
腰回りをしっかりと温めてください。エネルギーを保管する腎は冷えに弱い臓器です。冬は特にカイロや腹巻を活用して。
まずは、タイプ別に食事や生活で、出来ることから取り入れていただきたいと思います。
4 4つのタイプに共通する冷え対策はこれ!
入 浴
シャワーで済ませず、しっかり湯船につかってくださいね。
寝る前の足浴も効果的!
保 温
カイロや湯たんぽなどを、上手に活用しましょう。
特に腰回りを温める工夫をしてくださいね。
運 動
激しい汗をかかない軽い運動は、すべてのタイプさんにお勧めです。
ホットヨガは、妊活中にはお勧めしません。
服 装
「首」という名前がついている場所は、かならず保温しましょう。
足首、手首、首・・ですね。
食 事
夏でも、氷を入れた飲み物は控えましょう。
朝は陽気が全身をめぐる時間なので、冷えたスムージなどは、冷え性さん向きではありません。スープやみそ汁、お粥など、温かいものを召し上がる習慣を!
5まとめ
いかがでしょうか?
「冷える生活」を知らず知らずに送っていることがありますね。
1~3か月を目安にやってみて、効果が実感できない場合は、一歩進んで漢方薬などを取り入れてた体質改善が必要かも!!
どうぞご相談くださいね。