(室蘭民報寄稿記事:漢方薬として古くから活用されている生姜)
生姜は古くから漢方薬で使われていました
中国で生姜は、紀元前650年ころには食用として利用されていたそうです。日本には2~3世紀ころに中国から伝わり、奈良時代には栽培が始まっていました。
約2千年前の「傷寒論」という中国漢方の古典には「当帰生姜羊肉湯」という生姜を使う薬膳の処方が記載されています。生姜は漢方薬として古くから活用されています。
中国漢方では、生姜の特徴を「辛味の性質、微温の性質がある」と考え、その働きを利用して、体に付着する外邪を退ける、咳を止める、消化機能を促進、吐き気を抑えるという目的で活用します。
現代の薬理研究での生姜の効果とは?
現代の薬理研究では、生姜が抗炎症、殺菌、抗酸化、抗血小板、血圧降下、脂質降下などの作用があることが認められているようです。
生姜はどこの家庭にもあるなじみ深い食材ですから、寒気・無汗・咳を伴う風邪の初期、食欲がない、吐き気、嘔吐、下痢など、呼吸器や消火器系の症状に利用しても良いかもしれません。
他には冷え性、関節痛、腰痛、五十肩、生理痛、ダイエット、夏バテ、胃、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、二日酔い、車酔い対応への利用も。
生姜の使い過ぎに注意した方が良い人
生姜は体を温める性質をもつため、熱を持ちやすい体質には不向きで、高熱、感染症、肝臓炎、糖尿病、乾燥症候群などには使わないこと。
寒い季節、寒さが原因で起きた頭痛、関節痛や、風邪気味の寒さなどに「中国生姜湯」を作って飲んでみてはいかがでしょうか?
黒砂糖生姜湯の作り方
【材 料】
☆生姜 (10g)
☆黒砂糖(10g)
☆水(500g)
【作り方】
①生姜を薄く細く切る。
②鍋に水を入れて、強火で沸騰させる。
③②に①を入れて、強火で5分間煮る。
④黒砂糖を入れてかき混ぜて30秒煮る。
⑤生姜を取り出して完成。