生理痛にバファリンが離せない!妊活に影響あるの?
生理痛があるのは当たり前と思っている方も多いのですが、「無いのが普通です」というと驚く方が多いです。自分の母親もひどかったので遺伝だとおっしゃる方もいますが、そればかりではないのです。
生理痛がひどくて日常生活に支障が出る場合や妊活中の方は、まずは婦人科で子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がないかどうかなど、生理痛を引き起こす原因をしらべてみることをお勧めします。
バファリンを飲んでいることがすべての不妊の原因とはなりませんが、解熱鎮痛剤の副作用には下記のようなことが知られています。
「バファリンなど非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)は排卵を抑制する。」
ですが痛みを我慢することは、想像以上にストレスがかかります。頑張ってやめてみたけれどできなかった、という失敗経験の方が悪影響かもしれません。
排卵しているかどうかは「排卵チェッカー」で確認すればわかります。排卵していれば、鎮痛剤の排卵抑制は心配ないかもしれませんね。
非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)は何故、排卵を抑制するのか?
鎮痛剤など西洋薬は悪い面ばかりが強調されがちですが、効果は抜群、副作用も言うほど多くはありません。(ゼロではありませんが)必要なときに、短期間に限って服用する分には、なんら問題はないのです。
でも多くの方が勘違いしているのは「痛み止め」で「痛みが起きる原因」を治療できないのです。そのため痛みは繰り返しおこるため鎮痛剤を離せない状態となってしまいます。頻繁に服用することが問題だと言えますね。
少し専門的な話になりますが、痛みが起きる仕組みは、以下のようなメカニズムでおこることがわかっています。
炎症、痛み、発熱のメカニズムは発痛物質が関与しています。発痛物質にはブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどがあり、プロスタグランジンは発痛増強物質として炎症や痛みの発現やその増強にかかわる重要な因子とされています。
キーワードは「プロスタグランジン」
バファリンなど非ステロイド性抗消炎剤は「プロスタグランジン」が発生しないように抑えることで、熱や痛みを抑えます。
本来「痛み」は、私たちを苦しめる悪者ではありません。「危ないよ」「注目して」「大切にして」など言葉のかわりに身体から発されるサイレンのようなもの。脳に「病気かもしれないという感覚」を感じさせます。他にも以下のように、体の中では大切な役割を担っています。
「胃粘膜保護」「腎臓の血流維持」「卵子の切り出し(排卵)」などという、大切な役割があります。
参考までに非ステロイド性抗炎症剤と呼ばれる痛み止めはバファリンだけではなく以下のような薬があります。
市販されている非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)
成分名 | 市販されている商品名 |
アセチルサリチル酸 | バファリン、アスピリンなど |
イブプロフェン | イブなど |
イソプロピルアンチピリン | セデスハイなど |
アセトアミノフェン | タイレノール、小児用バファリンなど |
ジクロフェナク | ボルタレンなど |
ロキソプロフェン | ロキソニンなど |
妊活の邪魔になる冷えを起こすことも
鎮痛剤は必要な時に正しい量を一定期間のみ服用されている方は心配しすぎることはありません。鎮痛剤は低体温となるまで体温を下げることはないと言われていますので冷え性を心配心くても大丈夫。
ですが妊活中、念には念を入れたい方は、排卵日2日前~排卵日までの3日間、鎮痛剤の使用を避けることができれば安心です。
個人的に心配に感じる方というのは、ほぼ毎日鎮痛剤を服用されているような方です。月経痛に限らず、片頭痛、排卵痛などいつも体のどこかに痛みを感じているような方は「血流が悪くなっている」タイプかもしれません。鎮痛剤を離せなくなる原因を放置していることが問題なのです。
このタイプは「冷えやすい身体」となっている可能性もあり、卵子の発育、子宮内膜の厚さなど、妊娠に必要な過程に悪影響を及ぼす場合があります。ぜひ体質の改善をお勧めいたします。
生理痛がひどい体質とは?その原因は?漢方ではこのように考えます
漢方で生理痛は血の巡りが悪くなっている証拠と考えます。
生理は女性にとっては排泄にひとつ。月経血が完全に排泄されることによって、子宮の中も身体もきれいに掃除されます。生理痛がひどいとは子宮の収縮が激しい一方で血の巡りが滞っている証拠と、漢方では考えます。
この状態を「お血(おけつ)」と呼びます。経血の排泄がうまく行かないと「卵胞期」「排卵期」「黄体期」にも悪影響が及ぶと考えますので、お血は改善していきたいですね。またお血が改善されると、当然、生理痛も良くなります。結構、痛みは早くとれますよ!
お血には以下のような症状があります。ぜひチエックしてみてください。
参考
【基礎体温の特徴】
□月経がはじまってもなかなか体温が下がらない
□月経中一度下がった体温がまた上がる
【生理の状態】
□赤黒い色をしている
□レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じる
□月経前後は頭痛がひどくなる
□月経前にお腹が張って固くなる
【その他】
□子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫、卵管癒着などがある
□着床しにくい
□抗リン脂質抗体がある
もし子宮内膜症が発見されたら・・治りにくい病気ではありますが、周期療法で改善できるケースもあります。実際、当店で周期療法を実践された方も妊娠、出産されています。
では、何故「お血」という体質になってしまったのでしょうか?生まれつき体が弱いという方もいらっしゃいますが、人の身体は長年の生活習慣で作られます。食生活が不規則、胃腸が弱い、働きすぎ、寝不足など様々な要件が重なりつづけて、体のエネルギーが不足する「気虚」ストレスなどで気の巡りが悪くなる「気滞」血が不足する「血虚」体内の余分な水分がたまる「痰湿」などの体質が原因となり、血めぐりが悪くなります。
漢方体質チエック表で、ぜひご自分の体質を調べてみてくださいね。
お血体質はこう治す!
軽く汗をかく運動を!
血を巡らせるためには運動が一番です。激しい運動である必要はありません。ウオーキングやヨガなど、軽く汗ばむ程度の運動を毎日の生活にぜひ取り入れてください。ヨガの中でも汗をかきすぎるホットヨガはあまりお勧めしません、気持ちよいのですが、時々にしてくださいね。同じ理由でサウナの通いすぎも控えてくださいね。
お血を改善する食事とは?
お血タイプさんが積極的に食べたほうが良い食材は以下のようなものです。食事の注意点としては、脂っこい食べ物は控え、飲み物は出来るだけ温めて飲んでくださいね。
いわし、さんま、さば、あじ、かに、玉ねぎ、ねぎ、らっきょう、にんにく、にら、しょうが、なす、くわい、黒きくらげ、山椒、黒酢、モモ、サクランボ、サンザシ、シナモン、紅花、サフラン、ローズ、ウコンなど
すべての方に共通して言えることは「よく噛んで食べることです」
最後に
妊活を意識はじめると、色々と気になることが増えるかもしれません。漢方相談にいらっしゃる方がよく言われるのは「自分のことなのに、無頓着すぎた」と今までの自分を振り返る方が多いです。たとえ生理痛や頭痛が慢性的にあっても、自分の健康を信じて疑わない人がほとんどです。
妊活を通じてはじめて自分の健康に向き合うことになります。それは想像より厳しい道のりかもしれませんが、自分の健康を取り戻すことが、イコール「元気な赤ちゃん」を生むことにもつながります。
どうかあきらめず、楽しんで、ご自分の健康づくりを行って欲しいです。
多くの方は漢方を飲んで本当によかったたとおっしゃいます。また、赤ちゃんとすぐに会えなくても、元気を取り戻す中で、ゆったりとした気持ちで妊活に取り組めるようになったともおっしゃいます。
妊活に行き詰りましたら、ぜひご相談にいらしてください、ゆっくりとお話をうかがいますよ!