10歳の長男犬をはじめ9歳、8歳、7歳続いているのですが、今回は9歳のサクラちゃんのお話です。
私は国際中医専門員(中医学の資格)を所持し、薬屋で普段、人間の悩みや病気の相談に漢方薬を使います。
なので、ワンコのちょっとした不調は自宅にある人間用の漢方で何とかします。
ポイント
この記事はトイプードルと暮らす方や、ワンちゃんの健康に興味のある方のために書いています。
人に使える漢方薬はワンちゃんにも使用できます。使い方の一例として紹介しています。
(自己判断せずに、獣医さんや専門家にご相談くださいね!)
サクラちゃん、免疫介在性紫斑病になる!
サクラの場合、体に赤いあざができました。はじめは、手作りご飯をあげているので、体に合わない食物があったかな?~と思い、清熱、解毒系の東洋ハーブを飲ませたり、漢方パックをしました。
そのせいか?次の日には消えたあざと、薄くなったあざがあり、様子を見ることにしました。
ですが、同時にきになっていたのが「歯肉からの出血」です。
嫌な予感がしました。
以前から歯周病の治療の予約を迷っていたのですが、歯肉の状態を見てもらうついでに、赤いあざについて相談。
血液検査をしてもらいました。
案の定、血小板が異常に低いことが判明。採血後の止血にも時間がかかっていました。
こちらは令和3年3月採血データです。
ちなみに血小板とは、血液成分の一つで止血に関係しています。
血小板は、白血球、赤血球とともに血液中の有形成分の一つで,止血,血液凝固にきわめて重要な役割を果す小細胞片です。 傷口の血をとめる仕事を担っています。
免疫介在性紫斑病とは、以下のように書いてありました。
免疫システムの誤作動により、自分の血小板が破壊されてしまい血小板減少症に至る病気です。血小板減少の進行による出血傾向が死因となる重大な病気です。症状としては、発熱、皮下出血による紫斑(あざ)、歯ぐきからの出血、消化管出血(黒色便)などがみられます。
免疫介在性紫斑病の原因とは?
トイプードルによくみられる病気だと書いてありました。
以下の引用文を簡単に説明すると「自分で自分の身体を攻撃する病気」ということです。
免疫とは、自分の身体ではないものが体内に侵入してきた場合、身体(免疫細胞)は「異物」と判断し、異物をただちに「攻撃」して「排除」します。
この病気は、どういうわけか「自分の血液」を「自分の免疫が」「自分のものじゃない!!」と判断して、攻撃をする病気です。
人にも起こる病気ですが「原因不明」の病気の一つです。発症には「ストレス」が関係すると考えられているようです。
かかりつけの動物病院の先生に「ストレス」ですよ~と言われました。
「免疫介在性紫斑病」の原因とは
ワンちゃん自身の免疫機能が、なんらかのきっかけで自分自身の血小板に抗体を作ってしまい、その抗体によって、自分自身の血小板を破壊してしまうことが原因となります。 この病気がよく見られる犬種として、マルチーズ、シー・ズーやプードルなどが挙げられます。
免疫介在性紫斑病の漢方は帰脾湯を使用しています。
通常の動物病院での治療の鉄則は「ステロイド」です。免疫介在性紫斑病は重症度にもよりますが、治る病気のようです。
我が家のかかりつけ獣医病院は「漢方、鍼灸」に力を入れている病院ですので、選択肢には漢方治療があり、すぐに週1での鍼灸&マッサージと漢方治療が開始されました。
我が家には人用の漢方薬がありますので、犬の体重換算で計算して中国漢方を使用。
【参考までに:人間の大人60キロで6グラム(各メーカーの1日使用料)⇒3キロのワンコの場合という計算です。】
薬剤師の夫に分包機で巻いてもらいました。
小皿に漢方薬と少量の水で溶かして、舐めてもらっています。
ちなみに、私が使用しているメーカーの帰脾湯は甘いので喜んで舐めてくれます。
赤いあざや紫斑、出血を漢方ではこのように考えます。
人の場合も、犬の場合も同じです。
漢方では「血液が血管内を流れる」という働きをコントロールする力は「気」(エネルギー)がコントロールしていると考えます。
当たり前のように感じますが、違います。
まるでぶつけたような紫のあざが腕や足などに多数ある、高齢の方を見かけたことはありませんか?
また、まったく覚えがないあざができやすい方はいらっしゃいませんか?
「胃腸が弱い」方はこの傾向があります。
漢方では胃腸の働きである「消化や吸収」をする役割をする臓器を「脾」と呼び、「脾」の働きが弱ると、血液が漏れやすくなると考えます。
血管の外に血液が漏れるので、皮膚表面からは「赤いあざ」や「紫のあざ」として見えるのです。
専門用語では「脾不統血(ひふとうけつ)」と言いますが、「脾」が「血」を「統一」できないという意味です。
不正出血、鼻血など血液が外に漏れる症状に対して、脾を強める漢方が「帰脾湯」で、紫斑病の赤や紫のあざに対して使用します。
ただし、免疫の暴走や出血自体を止める漢方は、現在の治療の様子をみながら使用する予定です。
病院で紹介された「棒灸」を自宅でも購入して、お灸をしています。
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ワンちゃんの胃腸の消化能力を強めるために手作りご飯に挑戦
サクラは幼犬時代から食が細く、ペットフードを食べない犬でした。鳥のささ身をボイルし、フードカッターで細かくしたものをトッピングして与えていました。
3年前からは細かく刻んだキャベツに大高酵素を混ぜて寝かせた野菜をさらにトッピングしていましたが、長男ワンコが10歳になったのをきっかけに手作りご飯に変更。
いくら小食とはいえ、毎食毎食4頭分の餌づくりはけっこう大変です・・・が。
頑張っています。
ワンちゃんを迎え入れた時に、ペットショップで進められたロイヤルカナンを長いこと使っていましたが、3年前ほどからシュープリームに変えました。
小粒なのが良かったのか、長男犬のココアとサクラは以前より食べるようになりました。
また3番目のあずきは小太りでしたが少しスマートにもなりました。
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忙しいときは、パテドチキンも使っています。あっという間に食べてしまうほど、食が良くなります。
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最愛のワンコとの時間を大切に
気が付くと4匹のトイプードル軍団との生活が10年になりました。毎日、成長しない幼稚園児と暮らしているかの如く、それぞれ自己主張の強いワンコたちに、時には気が遠くなりそうになりながらも、やっぱり大切な家族。
どう頑張っても人の命よりも短いワンコたち。
「今を生きる」と言われるワンコをみならって、今できることをちゃんとやってあげたい。
まだ、サクラちゃんの病気の治療ははじまったばかりだけれど、経過を報告していきたいと思います。
4月1日現在の様子
帰脾湯を服用させて3日目、歯肉出血が止まりました。現在のところ、新しい紫斑はでておらず、以前でていた紫斑も消えています。
5月11日の検査結果、血小板が正常値になりました!
5月、GW明けに受診して検査をしました。
結果、白血球、血小板、ともに正常値に戻りました。
すっかり元気なサクラちゃんになりました!
再発しやすい病気なので、様子をみていきます。